生徒のために「印象的な授業」を作るのってなかなか難しいですよね。
一方で、そうした悩みを抱えている人ほど授業の導入をあまり念入りに考えていない傾向にあります。
実は、人間の記憶は「覚えようとするものの"最初"と"最後"を覚えている傾向がある(=系列位置効果)」という研究結果があります。
つまり、授業の導入とまとめさえ、しっかりと生徒に方向性を示すことやインパクトを残せれば、印象的な授業を作るキッカケを与えられるのです。
今回の記事では、授業の初めに特化した生徒を惹きつけるGoogleスライドの作り方について解説します。
Googleスライドを使用して、以下の内容をご紹介します。
- 授業の導入がなぜ大切なのか
- 生徒を惹きつけるスライドの4つの魅せ方
塾講師6年目 / 2023年度 第1志望校合格率 "71.4%"達成!(難関校合格あり)
高校数学・情報の教員免許取得!(元 科目等履修生[2年間])
文系で大学の情報学部に入学 / ITパスポート・基本技術者試験に合格!
授業は"導入"と"まとめ"が大切!
人間は、覚えようとするものの"最初"と"最後"を覚えている傾向があることが研究で明らかになっています。
一方で、授業は中身を重視されることが多いです。
ただ、それが間違いなのではなく、生徒に中身を重要視してほしいからこそ、導入や締めにも気を配る必要があるのです。
僕は学校の授業がつまらないという生徒に「どうしてつまらないの?」と聞くことがあります。
理由として挙げられるのは、以下のものが多かったです。
- 授業の最初にどう聞いてほしいのか不明(=導入の魅力伝え不足)
- 単元の中で何が重要なのか伝わらない(=中身の伝え方不適当)
- どう解くのか分からない(=中身の伝え方不適当)
- 授業終わりに次回の授業との関係性を示していない(=締めの魅力伝え不足)
授業の中身が理解できないという意見もありましたが、授業の最初や最後について指摘をしている生徒もいました。
ただ授業が始まって時間が来たら終わる授業って緩急のなくて、生徒は退屈だと感じるのはその通りだと思います。
ですので、中身をしっかりと聞いてもらう上で授業の導入や次の授業もつながっていることを意識させなければいけません。
だからこそ、授業の中身の質を上げる前に
授業の最初と最後にも熱意をもって、あるいは生徒の視点を絞る、視野を広げる準備をする必要があると思うのです。
それだけでも生徒の目の色はだいぶ変わります!
今回は、「授業の導入」に絞って説明をしていきたいと思います。
授業開始5分で生徒を惹きつける"Googleスライド"の4つの魅せ方を解説していきます。
授業開始5分で惹きつけろ!Googleスライドの4つの魅せ方
本題です。
今回は、生徒を惹きつけるGoogleスライドの工夫の仕方を4選まとめてみました。
実際に、自分が体験したり、使ってみて効果のあったものや少し変わり種があるからこそ「何が始まるんだろ」とワクワクさせる導入が作りやすいと思います。
- スライド1枚に大きく文字・数字だけを書く
- 効果音やBGMをつける
- ゴールの設定
- スライド一枚だけしか使わない
1. スライド1枚に大きく文字・数字だけを書く
このやり方は、かなりオススメです。
理由は、インパクトを残しやすい方法として適しているからです。
ちなみに、僕の教育実習時でも行いましたが、やはり驚きや納得を生徒から引き出すのには、かなり有効的な手段でした。
授業の導入において、スライド1枚に大きく文字を書く、数字だけ記載するというのが一番最適です。
例えば、こんな感じ↓
生徒にそのスライドをみせて
- 「これから何が始まるんだろう。」
- 「この数はなんだろう。」
- 「このグラフなんだろう。」
- 「この写真はなんだろう。」
そして教員からの問いかけが始まるわけです。
ここまでが、スライド1枚に大きく文字・数字を書いたことによる効果が発揮されるわけです!
それでは、いくつか例を挙げていきます。
スライドの活用例
スライド1(授業内容:SNSの向き合い方)
教員「この数字はなんだと思いますか?」
生徒一同「...」
生徒A「〇〇」
生徒B「△△」
教員「正解は『2020年にSNSに起因する事犯の被害を受けた18歳未満の子どもの数』です!」
教員「今回の授業では、学生でもSNSの被害にあうという自覚を持ってSNSとの向き合い方をしっかりと肌で感じてほしいです。」
スライド2(授業内容:健康は早いうちから意識!)
教員「この数字はなんだと思いますか?」
生徒一同「...」
生徒A「〇〇」
生徒B「△△」
教員「正解は『日本人が生涯がんになる確率』です!」
教員「病気は若いうちは大丈夫とおもうかもしれませんが、長いスパンで見たら病を発症させるトリガーを若いうちにつくってしまう可能性があります。」
教員「今回の授業では今からでも対策できることをお話ししたいです!」
スライド3(授業内容:進路の決め方)
教員「この文章を見て何のことだか分かりますか?」
生徒一同「...」
生徒A「〇〇」
生徒B「△△」
教員「今回は君たちの進路をイメージしやすくするために、どういった部分に気をつけて決めたらいいのかをお話しします。」
教員「授業終わりにもう一度、授業のはじめに出したスライドの問いについて聞きますね。」
授業のテーマを"色"で表現
他にもポイントはあります。
授業テーマの話題の色を決めて、それを反映させるのもオススメです。
- スライド1であれば、SNSと言えばネットだし、緑っぽいかな
- スライド2であれば、病気のことだし、病院をモチーフにした赤と白を使ってみようかな
慣れたら、色にもこだわってみましょう。
印象付けるポイントというのは、こういう些細なところにもあります。
2. 効果音やBGMをつける
スライドは、視覚において効果的と思われるかもしれません。
ですが、見方を変えれば視覚だけでなく、聴覚にも訴えかけられることもできます!
例えば、歴史で「応仁の乱」の説明をしたいとき、下のスライドを生徒に見せるとしましょう。
ただ、見せるだけでは、何が始まるか初学者にとっては分かりません。
そこでオススメしたいのがBGMや効果音をつけることです!
このスライドで伝えたいのは、「将軍の後継争いについて学ぶ」ということです。
効果的なBGMや効果音は
- 「刀同士が競り合う音」
- 「群勢が迫る音」 など
その現場にあたかもいるような雰囲気出ますよね。
実はこの方法、声に抑揚をつけるのが苦手な方にはオススメです。
教員の中には、自分なりに喋り方に強弱つけてるつもりでも、生徒にとっては説明口調に聞こえてしまうケースはあります。
音を活用することが授業に没入させるキッカケをつくりだせるのです。
声の抑揚が苦手な方以外でも授業の工夫として使えます。
参考にしてみてくだい!
Googleスライドに音や動画を挿入する
「挿入」ボタンをクリック
「音声」ボタンをクリック
この画面になればOK
入れたい音声を選び、調整しましょう。
3. ゴールの設定
1や2が難しい場合であれば、「ゴールの設定」を意識してみるといいかもしれません。
ここで言うゴールの設定は"授業のねらい"と少し似ています。
ゴールの設定とは?
「授業を受けたら、この結果が待ってます!」などの生徒ができる幅が増えることやスキル・能力向上が期待できることを示す。
つまり、授業を通して生徒がどうなっているかという教員視点ではなく、授業を通して何ができているのかという生徒視点を見せることを意識してみるのです。
スライドは生徒に見せるためのものなので
スライドを見せる対象にとって分かりやすいものでなくてはいけません!
いくつか例として挙げてみます。
スライドを活用した例
情報セキュリティの授業
最初に生徒に見せるスライド
何を授業で行うかの共有をおこなう。
情報セキュリティの授業における「ゴール設定」
授業セキュリティの授業で何ができるようになるのかを明示。
これなら生徒も「意義のわからない授業」から「目的や成長が期待できる授業」へと変換できます。
グループワークの授業
「この白紙のスライドが」
「こんなに埋め尽くされるように頑張りましょう!」
どれくらいの努力量を自分たちが行うのが最低ラインなのかを見ることができるため、こうした面もゴール設定に向いています。
4. スライド1枚だけしか使わない
これは変わり種です。
授業の起承転結を「スライド1枚」で行うというものです。
正直、スライドはあくまでも口頭では相手に伝わりにくい部分を補助するものだと思っています。
伝えたいところが「何か」。
そうした原点に立ち返るような使い方をしてみました。
例を挙げて、実際に見てみましょう。
スライドを活用した例
三角関数の授業
下のスライドを終始、生徒にみせて、今どこの話をしているのかを随時確認できます。
最初にこれだけ見せられたら、生徒もかなり驚くと思います。
ただ、人間って適応する力がすごいので、授業の最後には、その状態が普通だよねってなります。
そうした時に、授業の最後にどうインパクト残せるのか、あるいは次の授業に繋げるのかを示すと効果的です。
話しているところを強調しよう!
他にもポイントはあります。
スライドの機能「アニメーション」を使って、下今やってるところはここだよと把握しやすくさせましょう。
下のスライドのように強調してみましょう。
最後に
授業へのこだわりは、最初から持つべし。
この部分をしっかりとイメージしながら授業内容に入るだけで、生徒の授業への姿勢って少しでも変わるとおもいます。
参考になれば幸いです。