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【教員免許】科目等履修生って何?イメージと現実を2年間の経験をもとに解説![通信制・スクーリング・就活]

大学を卒業したけど、社会人から教員になれるのかな。大学院生だけど、教員になれるのかな。

あるいは教員免許持ってるけど、他の教科もとれないかな。

 

こんな悩みを抱えている方に!

「科目等履修生」という制度があるのはご存知でしょうか。

 

実は、教員免許は学部生(大学在籍中)だけではなく

大学卒業後でも取得することが可能なのです。もちろん、社会人や大学院生でもです!

 

それを可能にするのが『科目等履修生』という制度なのです。

 

実際に、僕は教員免許を取得するために、2022年から2024年の2年間にわたって、北海道情報大学(通信制)の科目等履修生をしてました。

 

そして無事、2つの教員免許を取得がかなったわけです!

 

今回は先ほど紹介した『科目等履修生』とは何なのか。

実際に通信制大学で2年間やってみた経験も織り交ぜながら、お伝えします!

 

今回の記事では、以下の内容をご紹介します。

  • 科目等履修生とは何か
  • 実際に「働きながら勉強」は可能か
  • 科目履修生になったときの注意点
  • 科目等履修生は就活時にどう思われるのか
  • 他教科の教員免許も取れるのか

 

 

[作成者:ます]
文系から情報科教員(4月勤務)

塾講師6年目 / 2023年度 第1志望校合格率 "71.4%"達成!(難関校合格あり)
高校数学・情報の教員免許取得!(元 科目等履修生[2年間])
文系で大学の情報学部に入学 / ITパスポート・基本技術者試験に合格!

 

目次
  1. 科目等履修生とは
    • 科目等履修生とは
    • 種類について
    • 聴講生とのちがい
  2. 実際に科目履修生になってみてイメージと現実を比較してみた!
    • 「働きながら学べる!」というのは可能か
    • 大学院生でも学べるのか
    • 科目等履修生は「学割」が適応されるのか
    • 科目等履修生は通信制のイメージだけど「スクーリングなし」ってどうなのか
    • 就活における「科目等履修生」のイメージ
      • 企業での就職活動
      • 学校法人での就職活動
    • 科目等履修生の期間を履歴書に書くべきか
    • 料金ってどれくらいかかるのか
    • 免許の申請ってどうやったのか
    • 「教育実習」が不足単位である場合について
  3. 最後に

 

科目履修生とは

科目等履修生とは

科目等履修生とは、大学に入学せずに、特定の科目を履修する学習者のことです。

これは「科目等履修生制度」ともいわれ、1991年7月1日の大学設置基準の改正により設立されました。

 

この制度は、大学入学資格を有する者を対象として、大学で履修した授業科目の単位を認定するものです。ですので、平常の学習や試験などにより評価され、合格すれば単位が修得できます。

 

つまり、社会人が教職課程(教員免許取得に必要な単位過程)を学べるのは、この制度のおかげといっても過言ではありません。

 

詳しくは「文部科学省『科目等履修生について』」でご覧いただけます。

www.mext.go.jp

 

 

つぎに『特定の科目』について、解説します。

種類について

科目等履修生には『特定の科目』を履修することができるとありましたが、それをグループ分けしてみるとわかります。

 

  • 資格取得目的(教職課程など)
  • 教養目的(聴講生など)

 

ですので、全体的にみると科目等履修生の種類は多くあると考えられます。

たとえば、学部科目履修生、教職課程科目等履修生、大学院科目等履修生など少し調べると名前は違えど、目的に合わせて教育機関のほうで学習環境を整えられていることがわかります。

 

つまり、自分は教員になるために教員免許が必要なので、資格取得目的の科目等履修生として、教職課程科目履修生をしていたことになります。

 

よって、なぜ科目等履修生をやるのか『目的』を明確化させることが大切です。

 

 

聴講生とのちがい

他サイトでも、聴講生と科目等履修生のちがいを言及しているところがありました。理由は、同一視されることがあるからです。

 

ですが、種類のほうでも説明しましたが、くくりは同じであっても性質が異なります!

 

  • 科目等履修生・・・単位取得を目的。その単位がないと資格がそもそも取れないなどの理由。[例:教員免許のための教職課程、学士取得(大学卒業)のための学部科目履修生 等]
  • 聴講生・・・教養UPや資格(教育機関の単位を必要としないもの[例:簿記 等])の勉強が目的。一般の方だけでなく、教授などが授業に来られるケースがあり。

 

大学生の際に、講義中に明らかに20代ではない学生(教授と同年代くらい?)を見かけた経験はないでしょうか。

その方が聴講生だった可能性はあるとおもいます!学ぶもの拒まず…。

 

日本の教育制度は未完全なものはあれど、そうした制度によって様々な方々の助けになっていると思うと感無量です。

 

現に、自分もその制度の恩恵を受けましたので、よりなおさらです。

 

 

実際に科目履修生になってみてイメージと現実を比較してみた!

ここから少し自分の体験談をふまえてをします。他サイトにある科目等履修生のイメージ像について比較しながらまとめたいと思います。

 

ここからは教職課程に関する科目等履修生についてです。

 

 

それではいきましょう!

「働きながら学べる!」というのは可能か

「社会人で科目等履修生になり、教員免許をとれます!」みたいな謳い文句があるとおもいます。

 

まず、現実として可能です!

なにより、自分が証拠ですね。そして、スクーリングをする機会があり、そこでも社会人の方が大半で「本当に自分以外にも社会人いるんだ!」と驚いたのが印象に残ってます。

 

なぜ、このようなリアクションをとったのかは当時、科目等履修生をする際の学校選びが原因でした。

 

こだわっていた学校選び

  • 塾講師をしながら科目等履修生したい(=働きながら資格取得希望!)
  • とにかくスクーリングをしたくない(=登校NG)
  • 自分のペースで勉強を行いたい!

 

ですので、教育実習以外はスクーリングをしたことがなく、『教職実践演習(教育実習の単位が取れたら選択可能)』で初めて通信制大学の学習者と顔合わせしたのです。

 

もちろん、家の近くにある通信制大学のキャンパスまで通って、単位取得を目指している社会人の方もいました。また、スクーリングの際に、有給休暇をつかって取得を目指している方もいました。

 

科目等履修生はこうした多岐にわたる学習方法を選べる環境を整えている教育機関が多いイメージです。本当に社会人に合わせた感じです!

 

 

大学院生でも学べるのか

僕が教職実践演習でスクーリングをした際に、大学院生の方が1人いらっしゃいました。その方は、福岡在住の方でした。

 

つまり、学ぶことが可能というのが結論です。

ただ、他大学で科目等履修生にならなくても大学院でも教員免許の取得は可能です。修士(大学院卒業)取得かつ特定の科目を履修することで『専修免許状』が得られます。

 

しかしながら、教職課程を設置していない大学・大学院もあるので、大学院に在籍しながら他大学で学習を図ったと推察できます。

 

まずは、教職課程が自分の大学院にあるのかどうかを確認してみよう。

 

 

科目等履修生は「学割」が適応されるのか

結論、学校ごとの科目等履修生の見解学割をきかせたい店側の判断によります。

 

僕の場合は学生証が1年ごとに発行・郵送されていたので、その学生証をお店の人(娯楽施設)に提示し、通常料金に学割の適応をしてもらったことがあります

 

一方で、明らかに見た目が大学生っぽくない人が提示したら、少しちがった結果になる可能性はあるとおもいます。

 

 

デメリットもご紹介します。

科目等履修生は、確かにその学校の学生です。しかし、厳密にいうと、入学試験をパスした学部生とは異なります。

 

理由は、「学士の学位取得(大学卒業)を目的としていない」という意味合いが科目等履修生のそもそも立ち位置です(=資格取得や教養上げが目的だから)。

 

ですので、電車などの交通機関は、大学側がそもそも学生証提示による通学定期の購入を禁止しているところがあります。また、そもそも学生証を配布しない学校もあります。

 

ですが、スクーリングを考えていない方は、このデメリットは心配なさそうですね。

 

 

科目等履修生は通信制のイメージだけど「スクーリングなし」ってどうなのか

実を言うと、ツラかったのが本音です。

自分のペースで学べるのは良いのですが、分からないことや質問したいことを共有できる学習者が近くにいなかったのが原因でした。

 

これまで大学には様々な『人』がいました。

そのなかには、「どの授業が楽単なのか」「カモ授業はどれか」「期末テストの過去問の入手」など学校生活の卒業のために必要不可欠だった人(同期、後輩、先輩など)がいたわけです。

 

上記はクズ的な発想です。一方で、「スクーリングなし」は一長一短であります。

場合によっては、単位取得のための定期テスト対策は勉強・課題も一人ですべて解決する必要がありました。

 

もちろん、授業担当の教員に質問することも可能でしたが、僕は教授という生き物が少し怖いイメージがあり(卒業した大学が原因)、なかなかそこに踏むことができませんでした。

 

学習を1人でやりきるのが心配と考えた方は、下のようにするのがオススメです!

 

  • 全授業をスクーリングにしてしまう
  • 自信がない授業だけスクーリングにしてしまう

 

僕は完全にひとりで乗り切りましたが、スクーリングなしというのも考えようです。

 

 

就活における「科目等履修生」のイメージ

それでは少し違った視点から科目等履修生を見ていきます。

 

特に学生必見!!

 

僕は教育業界で就活を行いました。

就職期間の過去1、2年前の大まかな流れを記載します。

 

  • 大学卒業後(2022年3月)、他大学で科目等履修生を開始。
  • 科目等履修生(2年目)の2023年4~7月が就職活動期間。

 

結論、会社と学校法人では聞かれる質問が全く異なりました。聞かれた内容は次のとおりです。

 

企業での就職活動

1位「科目等履修生ってなに?」

2位「教員はやらないの?」

 

そもそも「科目等履修生」にハテナが浮かんでいたというのが現実です。そして、その制度のことを説明すると「なら教員やらないの?」みたいな質問をしてきます。

 

もし自分が面接官でもしますね(笑)

 

やはり、教員の道を行こうとしている人が企業の選考受けていたら、驚くし警戒はされると思います。

 

学校法人での就職活動

1位「大学で教員免許を取れなかった理由は?」

2位「科目等履修生ってなに?」(あまり聞かれなかった)

 

企業とは違い、面接相手が教員ですので「科目等履修生」には寛容的な印象でした。

ただ、学校の授業をしっかりと受けてないのかな(性格に難あり)と思われるのも無理はないのかなと思います。

 

教育業界ではあるが、見ている視点が異なっているというのが伺えました。あくまでも自分の体験なので、ひとつのサンプルと思っていただけたら幸いです。

 

 

よければ、ほかの就活についての記事もありますので、ぜひ!

www.brain-a-campus.com

 

 

科目等履修生の期間を履歴書に書くべきか

場合によって、書いたほうがいいです。

一方で、書いたらボロが出る可能性もあります。

 

僕は実際に科目等履修生の期間を履歴書に記載しました

理由は、教育業界以外を考えていないからです。そして、空白だと大学卒業後に何をしていたのかをいちいち聞かれるのが面倒だったからというのがあります。

 

そもそも科目等履修生は、あくまでも資格取得や教養上げが目的なはずです。

自分の志望業界にその期間が志望する一貫性をもつ理由のサポートになるなら記載するべきです。

 

一方で、全く異なる志望業界なのにそれを書いたら、面接官から「教員はやらないの?」とか「教育業界行かないの?」とか用意しなくていい質問の回答を考えるのもツラいとは思いませんか?

 

 

料金ってどれくらいかかるのか

特定の科目を履修するので、入学試験をパスした学部生より、かなり費用は安いです!

 

入学金と授業料(教科書代除く)の合計において、自分の場合で比較してみます

 

  • 科目等履修生(2年間)・・・約38.5万円
  • 大学生時代(4年制大学の理系学部)・・・約561.4万円

 

科目等履修生を4年間やったとしても割安です。

 

なぜこのように安く費用を抑えらるのか。

それは、大学生時代で取りきれなかった不足単位分のみを履修するだけで良いので、履修する授業数などがそもそも少ないからこそ抑えられるのです。

 

また、科目等履修生は現職の教員やすでに教員免許を所持している方でも他教科の教員免許を目指せるというのもメリットです。

 

この機会にぜひ検討してみてください!

 

 

免許の申請ってどうやったのか

自分の場合は、個人申請でした。

一般的には、大学側が他の学生分もまとめて「一括申請」して、教員免許の取得ができます。

 

なぜ、自分が「個人申請」なのか。

理由は、僕が在籍していた北海道情報大学(通信部)の卒業生、あるいは正科生でないからというのものでした。

 

実は、これは科目等履修生を募集している他の大学も同じような流れでした。

これには共通して、複数の大学での単位を合わせるため、免許申請を個人でしなければならないというのが念頭にあると予想しています。

 

免許の申請にはの2つがあります。

 

  • 個人申請
  • 一括申請(在籍している大学が実施)

 

ですので、科目等履修生を考えていて、かつ自分の卒業校でない教育機関で教員免許を目指している方がいるのであれば、このことは注意してください!

 

 

「教育実習」が不足単位である場合について

科目等履修生を考えている人の中には教育実習を履修せず、卒業してしまったケースもあるでしょう。

 

ですが、現実、教育実習を大学で履修していない場合の方は科目等履修生として受け入れていない大学ががほとんどでした

 

もし教育実習の単位取得できる場合でも、入学後に条件がついている可能性があります。

 

現に、在籍していた北海道情報大学の場合は、教育実習を受講する前年度末までに教育実習受講資格を得る必要があったりました。

僕の場合は、教育実習を受講する前年度末までに教育実習受講資格を得て、在籍2年目で教育実習に行ったという感じです。

 

ですので、教育実習の単位を取りたい場合は学校の指示に従って、単位取得を目指してください!

 

一方で、すでに教員免許を所持している方で、他教科を目指す方はそういう意味ではかなり有利です。

しかしながら、高等学校の免許所持のみで中学校の免許を取得するなどの学年区分を超える場合には制限があります。

 

 

最後に

科目等履修生についての現実像はいかがでしたでしょうか。

僕は、科目等履修生にも一長一短あると考えています。そもそも社会人は多忙です。そのなかで勉強するというのもかなり計画を立てていくことが必要です。

 

あと「こんなのもあった!」と思い付いたものをこの記事にを答えられる範囲で随時反映させます!

 

今後ともよろしくお願いいたします。