1年間教員を続けてみて、どんなことが見えてきたのかまとめてみました。
教員を目指そうとしている方もなかにはいらっしゃると思いますので、参考になれればと思います。
この記事では、1年目でやるべきことや障壁、学校現場の事情を深く知ることができます。人手不足で、離職率も高い学校という環境で生き残るためのライフハックみたいなものも記載しましたので、最後まで見てみてください。
今回の記事では、以下の内容をご紹介します。
- 私立で教員1年間を経験してわかったこと
- 私立と公立との職場環境の違い
- 教員を目指すうえでどんなことを気を付ければいいのか
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【8選】私立で教員を1年間経験してわかったこと
教員は何でも屋
非常勤講師を除く、教員は教科指導だけではなく、学年(クラス担任、あるいは副担任)、部活や校務分掌など多岐にわたり、役割がふり分けられています。そして、学校行事ごとに役職関係なく、当日に役割があります。
それらには、すべて生徒が関わっています。なので、監督する立場の人が必要なのです。あるいは単純に生徒ではわりふれないがために、教員を人員として補充するみたいな流れになります。
全体的に見ても教員は何でも屋と化していると思います。
そこにやりがいを感じている人がなかにはいるかもしれませんが、仕事の量やその多種多様さから一般的には人のキャパを超えている印象です。
年間スケジュールがわかってないと逆算してうごくなんて無理
正直、学校関わらず、会社に勤めている新卒社員は誰しもが思うことです。
いつの時期が繁忙期・閑散期なのか、この学校行事はどれだけ大変なのか、行事のためにいつから動けばいいのか など、不明点が多いです。
それでも上司に逆算して動けと言われる人も少なからずいると思いますが、普通は厳しいです。ここは新卒の登竜門と言ってもいいかもしれません。
部活が勤労のモチベーションを下げている
これに賛同してくださる方は多いと思います。理由は、さまざま挙げられると思います。たとえば、
- 長時間労働になりやすい
- 土日祝に勤務する場合もある
- 教材研究や他の仕事にさくことができない
- 経験したことのない、指導したことない部活を担当 など
僕も同じような感想を1年間ずっと抱いていました。サッカーなんてしたことないし、この時間何すればいいんだよみたいな。
こうした配置の目的は、人事としては教員の育成(キャリアップなど)を目的にしているそうです。校長が教員全体に伝えていました。
その側面は会社でもあると思います。
例えば、営業部志望だけど、経理部に配属させられたなど、個人の成績も鑑みて判断されると思います。
こうした狙いは、配置をあまり固定せずに流動的にうごかし、不正やマンネリ化防止、あるいは社員の育成(キャリアップなど)をする目的があります。なので、部署によっては残業時間が圧倒的に多いところもあるでしょう。そして、それなりに手当もいただいていると思います。
一方で、その長時間労働になりやすい部活はどんなに頑張っても手当があまりつきません。実際に自分の明細を確認したら、出張費が1000円でした。この事案はどこでも同じ感じみたいです…。
おそらく、部活がというより、それに対しての対価が勤労意欲を下げている要因でした。
社会情勢をある程度とりこんでいる(パワハラや飲み会減少など)
最近、社会情勢を気にする学校法人が増えている印象を受けます。
僕が就活をしているとき、教員募集をメインとする学校説明会のブースでは、職場環境が改善している場面を宣伝しているところもありました。
一方で、後輩から聞いた話だと、まだそういう情勢に疎い教員募集をしていたところもあったそうです。
自分の勤務先では、給与面が2024年の春闘のおかげでベース給与が上がりました。
そして、かなり昔に、新卒の女性教員に人材不足だから3年間は結婚しないでくれと言われたそうです(普通にパワハラ事案)。いまは、子育て中の家庭は部活を担当しなくて良いなど、かなり緩和されています。
また、2019年のパンデミック後、強制実施された全体で実施された飲み会もいまではなくなり、各コミュニティで開催と社会情勢はある程度、取り込まれている印象です。
休暇は、特に私立では厳しく見られています。
私立は企業と同様の扱いですので、有給休暇を最低5日取得しなさいと事務から毎回言われます。たまに、取得中なのに出勤をしている方もいますが、学校現場でも変革は起きつつあります。
一体感がある
私立だからこそかもしれません。大学付属や何校も学校を所有している学校法人ではない限り、基本的に学校間での異動はありません。
ですので、教員同士の距離感は近いと思います。一体感が公立の比ではないです(公立は異動があるため、人間関係が希薄になりやすい)。ですが、教員との距離が近いからこそ、不仲になったときは地獄だと思ってください。
生徒は「教員1年目」とは見てくれない
次は生徒目線で見てみます。先生であれば、みなどれくらい歴があろうが生徒は「先生」とみなします。
これが意味するところは、新卒だろうが、あなた自身にもベテラン教員同様の相談・質問がくる可能性があり、それを判断し、指示することも覚悟しなければなりません。
もちろん、最初のころは新参者がいると気になり、警戒はします。ですが、見慣れると相談しにくる生徒は徐々に増えていきます。ときには指導したことがない、経験がない部活内でもその判断を求められます。さすがに技術指導の面はないですが…。
生徒は教員を手本とする良い意味でも悪い意味でも
教員の人格的な部分に憧れや尊敬をもって手本とする生徒もいますし、一方で校則の穴をつくために、あの先生は良いって言ってたとか都合のいいような解釈をするために教員を利用したり、あの先生はいいんですか?とか一休さんを展開する生徒もいます。
後者は教員を引き合いに出しているので、正直、否定すれば同僚をディスることになるのでめんどくさいし、生徒指導の統一感がなくなるので、厳しく言えない教員が増えてしまう要因になります。
本当に生徒と教員の関係性や距離感を1年目は特に気を付けたほうがいいかもしれません。
教員は芸能人
生徒は教員のことをよく見ています。まるで「芸能人」であるかのような感覚をもちました。
例えば、話す機会が多い異性の教員や生徒がいるとしましょう。それを何回も生徒が目撃した場合、あの先生は好意があるとか、あの生徒は先生が好きとか、勝手に流されます。
ほかには、プライベートでゆったりしているところを過ごそうもんなら、それを見かけた生徒は隙を見て、写真や動画を撮り、生徒間で共有します(僕もやられました)。SNSにアップされた教員もいました。
たしかに、自分が生徒の立場なら、教員の動向は気になると思いますし、以上の行動をしないとも限りません。これを教訓に生徒と会話するときやプライベートではかなり気を付けて、行動しています。
教員を目指そうと考えている方へ
1年目だからこそ「新卒」の肩書を使おう
右も左もわからない新米なので、一人で溜め込むより先輩教員に聞きましょう。そこで「新卒」というのは有効なカードなのです。
どこでもそうですが、新卒には会社を辞めてほしくないないので、むしろ、なんでも聞いてほしいと言われることがあります。新米と関わりたい方は割合的に多いと肌感覚おもいます。年配の方は特に。
年配教員は経験が豊富ですし、学校を俯瞰的にみている方が多いので、割といい話が聞ける場合があります。すぐ年配を老害とののしらず、まずはどんな人がいるのかをじっくり観察してください。
保護者や他の教員から尋ねられた際に、知らないのに、あたかも知っているかのように振る舞い、クレーム案件になったり、取り返しがつかない事案になるよりは必ず聞きましょう!
当たり前ですが、質問をする際は忙しくないか『いまお時間大丈夫でしょうか?』などのマナーは必須です。
まわりにいる教員を観察してみる
同期以外にも話せる人を見つけてみてください、。話しやすいひと、相性が合いそうな人、おもしろい人、一途な人など 人間味のある教員をまずは観察してみてください。
働きやすい環境は福利厚生だけではないはずです。どんな人となら働きやすいか、相談しやすいかなど 私立は異動がない分、人とのつながりができやすい環境です。味方はいればいるほど心強いです!
そして教員もなんだかんだワンマンプレーではなく、組織で動いていますので、組織に溶け込むには人間観察は必須です。
キツくなる前に休む
土日に休みがなくなってしまうことは教員ではよくあることです。
僕は休み方が分からず21日連勤を記録してしまいました。今でも味わったことがない精神状態や過度な疲労感を覚えています。新天地でもあったので、頑張りすぎたのかもしれません。
体を壊す前に、休暇の取り方を聞きに行きましょう。
事務の方でも先輩の教員でもよいです。労働者の権利なので、しっかりと回復させて万全の状況で仕事に臨みましょう!
研修は参加しよう
研修には学校で実施されるものと出張し参加する外部のもの(最近はリモート参加もできる)と2種類あります。とくに後者はおすすめです。
もちろん、参考になる、刺激になるもそうなのですが、その日に授業をしなくていい、部活を見なくていい など職場から一旦距離を置くことができるので、リフレッシュになります。
ちょっと仕事から距離を置きたい人はおすすめです。普通に仕事の一環だけどプチ旅行的なこともできるので、おすすめです。
部活や校務分掌をやりたくないなら「非常勤講師」一択
正直、学校の業務が大変なのはわかったので、大変なものを除きたいという思いがある人は非常勤講師がオススメです。
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学校で授業があるときにだけ勤務して教科指導を行う講師。
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勤務時間は短く、担任や部活などの負担がないため、自分の専門科目の授業に専念できる点がメリット。
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雇用形態は非正規雇用で、基本的に1年契約。授業がある日、授業のある時間に出勤する。
ですので、そうした雇用形態でキャリアを進めていくのも一つだと思います。
自己紹介でもありますが、僕は「常勤講師」という雇用形態になります。非常勤講師との違いが知りたいという方は下の記事が参考になります↓
最後に
現在、2年目ですが仕事の難易度は1年目よりハードルは下がりました。そのおかげで、1年間は経験してよかったと思うことがあります。
一方で、もう少し早く気づけばよかったと後悔するところもありますが、それを皆さんには味わってほしくありませんので、ぜひ参考になれればと思います。