今回は、科目等履修生で教員免許を取得するメリット・デメリットをご紹介します。さて、ちまたで噂の『科目等履修制度』は実際にどうなのか気になる方もいると思います。
そこで、2年間科目等履修生をしていた僕がその内情を詳しく解説していこうと思います。
今回の記事では、以下の内容をご紹介します。
- 科目等履修生で教員免許を取得するメリット・デメリット
- しっかりと学びたいなら『学校選び』は重要
- 働きながら教員免許は取得できるのか
元塾講師6年 / 2023年度 第1志望校合格率 "71.4%"達成!(難関校合格あり)
高校数学・情報の教員免許取得!(元 科目等履修生[2年間])
文系で大学の情報学部に入学 / ITパスポート・基本技術者試験に合格!
- 科目等履修生で教員免許を取得するメリット・デメリットとは
- メリット
- 教員免許が取得できる
- 不足分の単位のみ履修すればいい
- 学校によっては授業形態を選べる
- 費用が安い
- デメリット
- 追加費用がかかる
- 教育実習などの必修単位は科目等履修生(1年目)からは行けない
- 単位をとるために年数をかける必要がある
- 教育実習を履修するので休みが必要
- 学生扱いしてくれるところが限られる
- 番外編
- しっかりと学びたいなら学校選びは重要
- 働きながら教員免許は取得できるのか
- 最後に
科目等履修生で教員免許を取得するメリット・デメリットとは
2022年から2024年の2年間、科目等履修生として、教員免許の取得を目指していました。
そこで感じた科目等履修生のメリット・デメリットを改めて考え、まとめてみました。
メリット
教員免許が取得できる
当たり前の話ではありますが、教職課程の単位を取得することに専念するだけなので、教員免許の申請に必要な単位を落とすなど、最悪な事態にならなければ基本的に便利な制度といえます。
そして、最終的に公立や私立の学校で教員として働く資格を得ることが可能になるわけです。科目等履修生の醍醐味といえます。
不足分の単位のみ履修すればいい
教職課程の単位を取得することに専念するだけと先ほど言いましたが、母校で取りきれなかった不足分の単位(教育実習を除く)だけを目的とした制度の活用も可能です。
むしろ、それが科目等履修生の最大の利点です。
学校によっては授業形態を選べる
科目等履修制度は、学校によって、受け入れ方や授業形態もさまざまあります。
イメージが湧きにくいと思いますので、科目等履修制度を設けている学校が実際にどのような受け入れ方や授業形態なのかみてみましょう。
以下にまとめてみました↓
- 他大学出身でも受け入れ可能
- 通信制の学校だから、スクーリングほぼなし可能(教育実習を除く)
- オンデマンド形式
費用が安い
教職課程に絞って、単位の取得を目指すので不足分のみの履修だけでも問題はありません。また、価格も1コマ数千円台なので、非常にリーズナブルといえます。
僕が在学していた北海道情報大学(科目等履修生)で、一から単位を取る場合でも以下のような金額になります。
(※画像は2024年12月19日時点)
こちらは年間ではなく、教員免許を取得するのに必要な総費用です。(教科書代別)
詳しくは下のホームページから詳細を確認してみてください↓
デメリット
追加費用がかかる
先ほど、金額について解説いたしました。
ですが、在学中の大学や大学院に教職課程があるのであれば、今後のことを考え、その場で取得するのがおすすめします。
教職課程の追加料金は数万円で終わり。あとは単位取得に励むだけです。
他大学で科目等履修生をしてまたお金をかけるくらいなら今のうちにとるべきです。僕はそれで非常に後悔しています。
教育実習などの必修単位は科目等履修生(1年目)からは行けない
結論、不足単位に教育実習があっても1年目から実習へ向かうことはできません。
ほとんどの学校は1年以上の在籍と教育実習に必要な要件を設定しているため、すぐに教員免許を取得するというのはムリと言っていいでしょう。
詳細は下の記事に記載していますので、参考までに↓
単位をとるために年数をかける必要がある
よく科目等履修生を募集している学校の広告に『半年で免許取得可能!』とうたっているところがあります。
嘘ではないですが、トリックがあります。
それは教員免許をすでに所有している方、かつ同種の教員免許を目指している方のみに限定されます。
- 高等学校の免許を所有 → 別教科の高等学校の免許の取得を目指す
- 中学校の免許を所有 → 別教科の中学校の免許の取得を目指す
上記であれば、不足の単位分だけ取得すればいいので、心配はありません。ですので、半年で取得できる可能性は高いです。
一方で、例えば、高等学校の免許を所有する方が、別教科の中学校免許の取得を目指すとなると、異種の免許になります。
ですので、中学校の免許を取得するために、再度、教育実習に行く必要があります。
これは、余計にコストがかかることを意味しています。
オススメは、科目等履修生のときに中学と高校の教員免許を一緒にとってしまうのがいいでしょう。
教育実習を履修するので休みが必要
大学院生や仕事の拘束時間が少ない方であれば、最短で取得できる可能性があります。また、仕事の合間をぬって勉強することも可能です。
一方で、教育実習は最低でも2週間以上は学校で実習をうける必要があります。ですので、その分を振替休日や有給休暇など柔軟に対応しなければなりません。
この問題だけクリアできれば、最短の取得は叶うと思います。
学生扱いしてくれるところが限られる
学生料金はどなたでも聞いたことはあるかと思います。交通費や娯楽施設など至るところに『学生料金』は設けられています。
そんな学生料金について、科目等履修生の視点でみると制限される可能性があります。
実は、科目等履修生は正確には、所属している学校の『正科生』ではないので、『学生料金』を利用できる範囲が狭くなります。
例えば、カラオケとかの娯楽施設は学生かどうかの判断なので、緩いところがほとんどです。僕もこの恩恵にあやかった一人です。
しかし、電車や新幹線などの公共交通機関は正科生でないと学割が適用さないケースがあります。JRとか。
何が問題か。スクーリングで遠征をする場合、新幹線を利用しようと考えると思いますが、そこに学割が効かないので、旅行をしている時と料金は変わらないです。
それが頻繁にあるとまた不便です。
番外編
しっかりと学びたいなら学校選びは重要
確かに、教員免許を最短で取りたい人にとってはこのサイトは参考になると思います。一方で、しっかりと学んだ上で教壇に立ちたいという方も少なからずいるのも事実です。
ですので、学校選びは本当に欠かせないと思います。
例えば、スクーリングは他の学習者がいることで刺激になり、勉強環境として非常にオススメだと思います。
また、授業形態だけではなく、どんな先生が授業を担当しているのかといったシラバスを確認してみるといいでしょう。
【シラバス】とは
学校や試験、研修などで、学習内容や試験の知識・技能の細目などを具体的に示した資料
こうした内部情報は、公開している学校も多いので、興味があるものをそちらから選んでも良いでしょう。
あとは説明会(対面形式・オンライン)に参加することも、その学校を知る一つの情報源になります。実際に、担当者に聞くことも内情を把握するには必要なアクションです。
働きながら教員免許は取得できるのか
もちろん、可能です!
現に僕は働きながら、科目等履修生として教員免許の取得を目指していました。
下の記事に当時の様子を詳しく記載していますので、ご参考までに↓
科目等履修生の記事は他にもあります。ご参考までに↓
最後に
科目等履修制度には様々な側面があると思います。
科目等履修生として教員免許を取得できるかどうかは下調べが最も重要です。その一環として、このサイトがお役に立てれば幸いです。