教員免許を取得するときに「学力に関する証明書」の提出をお願いされたことはありますでしょうか。
実は、あの書類は免許申請の際に、かなり重要なものです!
ですので、教員免許を取得する際はかならず発行してもらい、申請時に持参しなければいけません。
では、その「学力に関する証明書」とはいったいどんなものなのか。それを今回はご紹介いたします。
今回の記事では、以下の内容をご紹介します。
- 申請時に必要である学力に関する証明書とは
- どこで発行してもらうのか?提出先は?
- 在学時によって適応される法律がちがう!?
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学力に関する証明書とは
学力に関する証明書とは
教育職員免許法に基づいて発行され、教育職員免許状の取得に必要な単位数や、それらを修得した機関を証明する書類です。
用途としては、主に2つあります。
2つ目は最初にふれましたが、免許の申請をするときに必ず必要になります。
一方で、1つ目は、僕のように教員免許を取得するときに、教職課程の単位が足りない人が他大学で科目等履修生などとして在籍するために、その大学に提出する書類でもあるのです。
科目等履修生として在籍していた時の記事もありますので、ご参考までに↓
成績証明書とのちがい
非常に名前が似ていますが、中身は全然ちがうものです!!
よく見かけるのは、「成績証明書」や「卒業証明書」ではない!という注意書きが、学力に関する証明書のとなりに記載されていることがあります。
そもそも学力に関する証明書には、Aとか秀、不可などの成績の記載はありません。
教育職員免許状の取得に必要な単位数や、それらを修得した機関が記されているだけの書類なのです。
自分のものを見せることはできませんが、早稲田大学の在学生向けお役立ちWebサイト「Support Anywhere(サポエニ)」に似たものがありましたので、そちらを参考にしていただけると幸いです。
画像引用元:09_教員免許状関連証明書 – Support Anywhere(サポエニ)
この書類の見方として
最初のほうに「中学教諭一種免許状(中略)社会」とあり、下のほうには、中学社会の教員免許で必要な単位数や取得情報が書かれています。
僕の場合も、高校情報、高校数学で書かれている科目は異なりましたが、書式自体は早稲田のものとあまり違いはないです。
このように成績表示ではなく、単位数の部分を重要視しているのが「学力に関する証明書」というのがおわかりいただけただろうか。
提出先は?
さて、この書類を提出する場所は、これまでの記事を読めば、だいぶつかめたのではないでしょうか。
主に2つあります。
科目等履修生などを希望する母校や他大学、それに準ずる教育機関へ提出
こちらへの提出は基本的に、教職課程の単位が足りない人が他大学で科目等履修生などとして在籍するために、その大学に提出するということですね。
一応、「一括申請」という名目で大学側がそうした書類を回収するという目的もあります。
一括申請というのは、年度末の2~3月に教員免許の取得をする複数の学生を大学側が申請手続きを肩代わりしてくれる方法です。
各都道府県の教育委員会へ提出
こちらへの提出は基本的に、教員免許取得のための申請で提出するということですね。
どこで発行してもらうのか
単位を修得した大学や短期大学で取得できます。
ただ、ほかの証明書よりも1週間ほど発行に時間がかかることや少しだけ値段が高い場合があります。
ですので、余裕をもって手続きをおこなってください。
学力に関する証明書には「新法」「旧法」がある!?
「旧法」「新法」とは
実は、教育公務員特例法等の一部を改正する動きがありました。
改正前は「旧法」、改正後は「新法」と呼ばれます。
その動きに際して、いつ在学していたかによって、学力に関する証明書に記載される「旧法」「新法」の表記や取得するべき科目も変わります。
在学時期による法律の適応の違い
いつ在学していたかによって、改正前・改正後どちらに適応されるかみてみましょう。
- 「旧法」の場合、平成30年度 以前 に入学した場合に適用
- 「新法」の場合、平成31年度 以降 に入学した場合に適応
旧法と新法をまたぐ単位の履修は可能なのか
僕は旧法時代に教職課程の単位をとっていたものの、途中でやめてしまいました。もう一度とりたいとなったときに、もう新法に切り替わったタイミングでした。
こうした場合は、「旧課程で修得した単位を新課程の単位として読み替えた上で、新課程で必要な単位を追加修得」することができます。
これは自分で判断することができないので、例えば、科目等履修生としてお世話になる他大学に聞いてみるといいとおもいます!
実際にぼくも心配だったので、聞いてみました。
ですので、無駄にコストをかけることなく2年で教員免許を取得することができたのです。
詳しくは文部科学省がまとめた資料がありますので、参考にしてみてください↓
科目等履修生について知りたい方はご参考までに↓
科目等履修生制度のある学校はどう決めるべきか
もちろん、自分がどう学ぶのが性に合っているかで判断していいとおもいます。
自分が大学院に通いながらでもしっかりと資格取得が可能なのか、精査してみてください。
例えば、こんなイメージで学校選びをするのはどうでしょうか。
- 日中は大学院で研究なので、夜に学びたい
- 平日は時間がないので、土日を使って勉強したい
- スクーリングをし、仲間と一緒に勉強したい など
需要はさまざまあるとおもいます。
それに合わせた学校を絞るのが一番いいとおもいます。
科目等履修生制度を設けている学校一覧
科目等履修生制度を実施している学校をまとめているサイトはほかにもありますので、まとめてみました。
通信制のみの学校や制度が実施されている国公立・私立の学校など、得たい情報をしぼってサイトを閲覧してみてください。
科目等履修生制度の開設大学一覧-独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構
科目等履修生で教員免許を取得できる通信制大学一覧【2024年最新版】-通信制大学情報局
「科目等履修生 教員免許 通信」の大学院・大学・短大一覧-スタディサプリ進路
教員免許 通信制大学ガイド-今村光一
最後に
成績証明書ではない、なぞの書類「学力に関する証明書」について、詳しくおわかりいただけただろうか。名前が非常に紛らわしいですよね。
ただ、教員免許取得のための申請時や他大学で教職課程を履修するために必要など、多岐にわたり活躍するものだというのはおどろきだとおもいます。